交渉のスキルはこの7つを押さえておけば全て上手くいきます!【数百億円の契約交渉を成立させた商社マンのアドヴァイス】
こんにちは 商社マンのTED山本です。
私は商社マンとして、数多くビジネスの交渉に携わってきました。
かつて、私は自ら起案した鉱山への数百億円の投資プロジェクトの交渉団のヘッドとして、相手企業の交渉のヘッドと、互いに会社の利益をかけて、交渉を行ました。
この交渉では、1年間の交渉をへて合意に至り、その結果、私は鉱山会社の副社長として働くことになりました。
また、自ら企画した数百億円規模のプロジェクトでは、お客様との交渉に加え、国内外のサプライヤーや下請け企業に参入してもらうための交渉を行いました。この交渉も難航を極めましたが、粘り強く交渉しこれを完了させました。.
私はこのビジネスで、プロジェクトマネージャーとして履行業務を行うことになりました。
今回のブログは、私が交渉に当たって駆使しているテクニック、そしてデッドロックになった時の切り抜け方や、困難な交渉を切り抜ける際に私が行っていることをご紹介します。
今回のブログの内容は以下の通りです。
交渉のスキルはこの7つを押さえておけば全て上手くいきます!
1.交渉のテクニック:交渉の成功は準備が7割です。
❶自分が何を欲しているのか明確にする。
❷交渉相手に自分の求めるものを正確に伝える準備を行う。
❸交渉は勝ち負けではない。WIN-WINのマインドセットを持つ。
❹情報収集を行う。
2.交渉のテクニック:それでも交渉がデッドロックに陥ったら。
❺交渉相手を共犯にしてしまう。
❻不確実性の叡智に委ねる。
❼交渉相手の主張に耳を傾けて、潜在意識を活用し解決案を提案し合意に持ち込む。
3.まとめ
数多くの交渉を行っていると、前にも後ろにも動きの取れないデッドロックに陥ることがあります。
その際にこれを切り抜けて合意に持ち込む際に私の行っていることをお知らせします。
交渉のテクニック:交渉の成功は準備が7割なのです。
私の数多くの交渉経験から、交渉の成功の成否の7割は準備作業に負っている、と断言できます。
その準備作業とは、自分が交渉の結果何を欲しているのか、交渉で自分の要求を正確に相手に伝える準備をすること、WIN-WINのマインドセットを持つこと、そして情報収集を行うことです。
自分が何を欲しているのか明確にする。
交渉をする際に、まずやらなければならないことは、何のために交渉をするのか、自分に問うことです。
この作業が、交渉に当たって最も重要なことです。
あなたが交渉の当事者、大きな交渉でリーダーシップを取る立場なら尚更、一人で静かに座って、何を勝ち取りたいのかを自問自答します。
自分と対話して、まず自分との間で折り合いをつけること、それが重要です。
私は最近、交渉のアドヴァイザーをすることが多いのですが、交渉の前にこの作業のできていない方が多いのに驚かされます。
相手はどう出てくるだろうか? とか、こういう状況で相手には交渉の余地があるとかないとか、相手目線で交渉を捉えている方が多いのです。
それも交渉のある局面では重要ですが、まず、交渉に当たって、相手が何でも全て受け入れてくれるとしたら、どんなことを要求するか?自分の要求を明確にします。
次に、最低線、ボトムラインを決めます。 最低限このラインは死守したいという線も自分の中で決めていきます。
組織で動いている場合は、社内の上司や同僚・別組織のキーパーソンに、確認する作業が必要です。
この条件を勝ち取ったら、ビジネスはこういう展開を期待でき、この様なメリットがある、とか、この条件を失ったら. 、このビジネスをやる価値がなくなる、ということを、想像力を働かせながら自問自答して行く作業です。
交渉というと、相手と切った張ったの議論をすることが頭に思い浮かびますが、実はこの作業をどれだけ自分の中で反芻してやったかで、交渉で勝ち取れるもののレベルが変わりますし、窮地に陥っても、何とか挽回しようという意欲にもつながります。
交渉とは、対話の一形式ですが、まず最初に対話すべきは、あなた自身なのです。
交渉相手に自分の求めるものを正確に伝える準備を行う。
自分が何を欲しているのか、正確に伝える準備をします。
わかりやすい言葉で、必要なら図や映像や文書を用いて、自分の要求することを伝えます。
もし相手に問われれば、その理由も伝える準備をしておきます。
これは何でも馬鹿正直に相手に自分たちの手の内を開示しろと言っているわけではありません。
もし、要求の真意を隠したいのなら、代替の見せかけの理由を用意しますが、その見せかけの理由は、どこから突かれてもボロが出ないようなものである必要があります。
例えば3年契約をして顧客企業へ鉱物資源を固定価格で相手先指定港渡しで販売する契約を締結しているとします。
この3年間の間に、鉱物資源が高騰して契約価格とマーケット価格に大きな乖離が出た場合など、販売価格をマーケット価格に見合ったものにする様要求する交渉を行うことがあります。
マーケットクレームと言います。
直近のマーケット価格過去3ヶ月の平均価格まで上げるのか、最高価格まであげるのか、はたまた、最低価格で手を打つのか?
自問自答して、自社鉱山の労働者の平均賃金が高騰していたり、鉱物資源のマーケット価格が高騰した為、採掘の機材も高騰して、顧客との契約価格を改定しなければ、鉱山の運営に支障が出て、結局は顧客に迷惑をかけることになる場合、折り合いをつける価格帯などを納得性のある説明とともに、顧客へ伝えます。
もし、自社鉱山で生産に従事している労働者組合と、手厚い福利厚生と過去の鉱物資源価格低迷時にも支えたことによって比較的低く抑えられているとしても、業界全体で労働賃金が高騰していれば、それを理由に顧客との間で価格改定の理由として提示することができます。
相手から、「成る程、それは大変だ」、と納得感を得られる、どこから突っついても相手を納得させられる、そんな理由を準備しておく必要があるのです。
交渉は勝ち負けではない。WIN-WINのマインドセットを持つ 。
ビジネスに於ける交渉は、相手と自分双方にとって、最大限の利益をもたらすことを目標とすべきです。
自分にとって有利で、相手に譲歩したり、相手にりすることをすると、負け、と考えるようなマインドセットを行うと、交渉に破綻をきたすことがあります。
先日も私がコンサルに乗った若手のビジネスマンは、理論的で頭も切れるのですが、交渉とは自分にとって有利な条件を勝ち取ること、相手に譲歩するのは負け、といったマインドセットを持つ方でした。
交渉の過程で、つまらないことで衝突し、結局交渉相手の信頼を得られず、不要な対立を招いて、デッドロックに陥っていました。
その状態で私がご相談に乗ったのですが、交渉とは勝ち負けではない、自分にとっても相手にとっても最善で最も利益の大きな結果を得ることが重要であるとお話しして、交渉のスタイルを変えて頂く様にしました。
その結果、相手の態度も軟化して、協議が進むようになりました。
心に刻むことは、「交渉の結果、双方にとってすばらしいWin-Winの結果を得たいと強く望むこと」、これが事前に行うべき準備の一つなのです。
情報収集を行う。
交渉相手企業の経営状態、例えば先方から契約改定の提案があった場合は、その背景となる会社の新たな戦略とか、業界における地位とか。
交渉の前面に立つ相手の交渉にの方の、社内でのポジションとか、どの程度権限を持っているのか、と言ったことを、可能な範囲で収集する様にします。
デッドロックになったときに行うこと。
どんなに事前準備をして交渉に臨んでも、双方の主張が噛み合わず、利害が対立してデッドロックに陥ることがあります。
譲れるところは譲ったし、相手もそれに対して見返りもしてくれた、でも対立点は解消できない。
前にも進めないし、かといって退いて交渉を破綻させるにはもったいなさすぎる、そういう時にどうやって突破口を開くか、私の心掛けていることをご説明します。
交渉相手を共犯者にしてしまう。
自社の利益を失うので、対立点で譲れない、それは交渉相手も同じこと。何とか対立点を解消して合意を形成したい。交渉の責任を負っていると、そういう場面に遭遇します。
そのデッドロックを解消する際のキーは、交渉相手にあります。
交渉相手の責任者やキーパーソンが、私たちとの交渉を何とか成立させたいと、どこまで思ってもらえるか?がキーになります。
私はこれを、交渉を相手に共犯者になってもらう、と表現しています。
この相手と合意に達することができれば、素晴らしい未来が開ける、そう交渉相手に思わせることができれば、自然と相手は合意に向けて譲歩や新たな解決策の提案をしてくれる様になります。
つまり、交渉相手に、「共犯者になって、一緒に解決したい」、と思ってもらえるかどうかがキーなのです。
合意に達し共にビジネスを行う様になったら、大きな日本マーケットにアクセスできる、私たちはマーケットで力を持っているよ、ということを説明して、明るい未来をイメージできる様に、交渉の中、ブレークの最中に、交渉相手に話しかけていきます。
交渉相手が解決策を提示してくれる様になれば、シメたものです。
不確実性の叡智に委ねる。
「不確実性の叡智に委ねる」というのは、ヨーガ哲学の一つの教えなのですが、私はデッドロック陥った時に、この言葉に従って勇気を持って交渉の一歩を進めています。
つまり、前例にとらわれず、「安全確実」と言ったものに執着せず、新たな提案を積極的に行い、また相手からも聞き、デッドロック解消のためなら、あらゆる可能性を追求しよう、と決意することです。
この意識を持つことで、柔軟性を持って、デッドロック解消を実現できる道がひらけます。
交渉相手の主張に耳を傾けて、潜在意識を活用し解決案を提案し合意に持ち込む。
そして、交渉相手がなぜ自分が行なっている提案を飲めないのか、その条件はどうして受け入れられないのかを、ニュートラルなポジションで聞きます。
相手にも自分にも最大限の利益をもたらしたいというWin-Winの心構えで、しかも従来の常識やこうでなければならない、という拘りを捨てる不確実性の叡智に委ねる態度で、交渉相手の話を聞く様に努めます。
私は、交渉の最中だったり、交渉の合間に交渉相手とコーヒー片手に雑談をしている時だったり、または一旦ブレークしてホテルでシャワーを浴びている最中だっったりに、解決策が閃きます。
その閃いたアイディアは、今まで両者が気づかなかった、新たな合意条件だったり、お互いの懸念をすり抜けて回避する合意条件だったります。
絶体絶命で、出口の見えない袋小路の中で、Win-Winで両者にとって最善の結果をもたらしたいという思い、そして、前例に囚われず不確実性の叡智に委ねよう、と腹を括ったときに、この閃きが訪れます。
これを提案として交渉相手にぶつけて合意に持ち込みます。
私は、この方法で絶体絶命の窮地を何度もくぐり抜けてきました。
この方法は、私の様な凡夫であっても活用できるものです。
誰にでも備わっている、潜在意識の力なのです。
まとめ
今回のブログの結論は以下の通りになります。
交渉のスキルはこの7つを押さえておけば全て上手くいきます!
1.交渉のテクニック:交渉の成功は準備が7割です。
❶自分が何を欲しているのか明確にする。
❷交渉相手に自分の求めるものを正確に伝える準備を行う。
❸交渉は勝ち負けではない。WIN-WINのマインドセットを持つ。
❹情報収集を行う。
2.交渉のテクニック:それでも交渉がデッドロックに陥ったら。
❺交渉相手を共犯にしてしまう。
❻不確実性の叡智に委ねる。
❼交渉相手の主張に耳を傾けて、潜在意識を活用し解決案を提案し合意に持ち込む。
以上7つをマスターすれば、鬼に金棒です。
某総合商社に勤務して39年、色々な経験をしてきました。成功も失敗も。
海外駐在の経験もありますから、ビジネス関係でご質問のある方は下に登録して、コンタクトください。
長く勤める間、私はアップダウンの大きな経験をしてきました。
好調の時は、新たなプロジェクトが話題になり、テレビの番組で取り上げられ、インタビューされる事もありました。
一方で、駐在中の不手際の為上層部の逆鱗に触れて、窓際族になり、どん底を経験したこともありました。
そんな折出会った瞑想とヨーガの力で、私は何も無かったスクラッチの状態から、数百億円のビジネスを作り出すことができ、復活する事が出来ました。
この驚異の瞑想とヨーガの大きな力にご興味がある方は、以下のブログ記事をお読みください。
https://ted-yamamoto.com/meditation-summary/