英語の交渉には8つのポイントを押さえておけば全てうまく行きます!【数百億円の契約交渉を成立させた商社マンのアドヴァイス】

こんにちは 商社マンのTED山本です。

私は商社マンとして、数多くビジネスの交渉に携わってきました。

かつて、私は自ら起案した鉱山への数百億円の投資プロジェクトの交渉団のヘッドとして、相手企業の交渉のヘッドと、互いに会社の利益をかけて、交渉を行ました

この交渉では、1年間の交渉をへて合意に至り、その結果、私は鉱山会社の副社長として働くことになりました。

また、自ら企画した数百億円規模のプロジェクトでは、お客様との交渉に加え、国内外のサプライヤーや下請け企業に参入してもらうための交渉を行いました。この交渉も難航を極めましたが、粘り強く交渉しこれを完了させました。.

私はこのビジネスで、プロジェクトマネージャーとして履行業務を行うことになりました。

 

今回のブログの内容は以下の通りです。

1.前準備を怠らない。

  ❶自分の欲しいものを明確にする。

  ❷それを分かりやすい言葉で伝える準備をする。

  ❸交渉相手と頭の中で仮想交渉を行う。

2.相手のペースに乗らない。

  ❹交渉の土俵を作る。 

  ❺出来れば通訳をつける。

  ❻重要なことは、日本語で考える時間を取る。

3.率直に交渉する。

  ❼ストレートに質問をして相手の真意を確かめる。

  ❽結論はすぐに書き物にして確認する。

4.まとめ。

私はこれまで、多くの国の人々と英語を使って交渉をしてきました。大小合わせると、おそらくその数は数百になります。

その中で私が掴んだ秘訣を、皆さんにお知らせします。

 

前準備を怠らない.

人間の思考力は、話している言語能力まで下がる、ということをご存知ですか?

あなたの英語能力が、中学生レベルなら、その思考能力も中学生レベルまで、もしかして小学生レベルなら、小学生レベルまで落ちます。

交渉の本質は、たとえそれが日本語でも、英語でも、ロシア語でも変わらないものの、言語能力レベルまで。思考力、洞察力が落ちてしまうことを、よーく肝に銘じてください。

英会話で、ナチュラルに話すために、「英語で考えなさい」と言いますが、あなたがシャープな交渉をしようと思うなら、大切な場面では、日本語で考えねばなりません。

交渉の最中に、日本語で長考するのはスマートじゃないし、せっかくテンポよく進んでいた交渉に水を差すことになります。

ですから、英語で交渉する場合は、前準備を行い、しっかり考えておくことが非常に重要なのです。

 

❶自分の欲しいものを明確にする。

何が欲しくて交渉をするのか? 自分の求めている理想の結果は何か?そして何故そう思うのか?

これを何度も何度も反芻して考え抜きます。

会社の命を受けて交渉する、私の様なサラリーマンの場合、自分の考え以外に、上司、関係する同僚、部下の意見もしっかり聴取して、自分の腹に落とし込みます。

交渉の目的が明確になりますし、交渉がデッドロックになった時に、自分がどこまで譲れるのか、相手と自分との間のWin-Winの解決策を捻り出す時に、この作業が役に立つのです。

❷それを分かりやすい言葉で伝える準備をする。

自分が求めている結果はどういうもので、なぜそれを望むのかを、明確な英語にして伝える準備をします

曖昧さのない、明確な(Cristal Clearな)表現を心がけます。誤解を生まないように、何度も何度も反芻してシャープな表現を準備しましょう。

 

  ❸交渉相手と頭の中で仮想交渉を行う。

相手が何故この交渉に乗ってくるのかをよく考え調べた上で、交渉相手を思い浮かべつつ、頭の中で英語で交渉をして行きます。

交渉相手がアメリカ人やイギリス人といった、いわゆる英語のNative Speakerの場合、ついつい相手に議論を引っ張られてしまいます。

それを防ぐためにも、頭の中で仮想的に交渉することは、あなたの交渉力を格段にアップさせます。

元南海ホークスの大捕手、その後ヤクルト、阪神、楽天で監督を務められた野球界のレジェンド、故野村克也さんは、試合前にその試合の対戦相手と、1球1球、配給を想定しつつ、1試合も2試合も頭の中で仮想対戦をしていた、と述べています。これと同じことです。

 

相手のペースに乗らない。

我々にとって外国語である英語を使って、Native Speakerと交渉すると、ついつい相手のペースに引き摺り込まれて、気がついたら、とても残念な交渉結果になってしまうことがあります。

私は、多くの場数を踏む中に、交渉相手に振り回されない方法、自分のペースで交渉を進めるポイントに気づきました。

 

❹交渉の土俵を作る 

議論の焦点を絞る。自分の議論をしたいことに集中する、と言っても良いと思います。

こちらが口火を切る前に、先方が全然別の事を言い出したとします、その議論に振り回されたら、いくら個々の議論が上手くいっても、望む結果を得られません。

そんな事態を防ぐ、最善の方法は、議論する内容を予め相手に提示して、合意をとることです。

ビジネスの交渉であれば、これは「議題(Agenda)」となります。

例えば

Proposed Agenda for the meeting scheduled for xxxx June, 202x 

1. Opening Remark

2. Complains from our customers about the performance of your product

3. Your perception about the problem and your proposed remedy

4. Necessity of revision of 2nd and 3rd Quarters’ Sales commitment by us

5. The way forward (including confirmation of actions to be taken)

6. Any other business

これは、我々が海外製品の日本市場への販売代理店として行っていたビジネスで、お客様から製品の製品にクレームが出たため、これの解決方法を海外メーカーから聞くこと、代理店契約で当社が約束している、各四半期の売上高の修正が必要であることを議題にしたものです。

予め議題を提示することで、議論の焦点が定まり、その結果相手に振り回されず、こちらの意向に従った議論ができます。

私はこれを交渉の土俵を作る、と呼んでいます。

 

❺出来れば通訳をつける。

私が取引先企業の部長さんが、海外サプライヤーとの交渉で通訳を務めてそのサポートをしていた時のことです。

交渉が終わって部長さんが海外のサプライヤーと英語で話しているのを聞いて愕然としました。部長さんは英語が堪能で、流暢なAmerican Englishを話されていたのです。

一件落着し、部長さんが慰労会を開いて下さった際、「部長さんは私よりずっと英語が流暢なのに、なぜ私の拙い通訳を使っているのですか?」と聞きました。

「それはTEDさん。日本語で考える時間が欲しいからだよ。」と部長さんは答えました。

私が通訳していた交渉は、年間の鉱物資源の海外サプライヤーからの価格を交渉するものでした。

部長さんの判断が間違ったり、海外サプライヤーの議論に引きずられて、マーケットの予想よりトンあたり$1.00でも高い買い物をすると、会社に多大な損害を与える、といった性質のものでした。

ですから、部長さんは、海外サプライヤーの英語の説明を聞き、私が通訳をしている間に、考えたり、横に控えている部下に色々と確認したりして、回答をしていたのでした。

ですから、重要な交渉では、通訳を入れることを躊躇すべきではないと思います。

 

❻重要なことは、日本語で考える時間を取る。

私は英語での交渉を数多くこなしていますし、私の部下には、アメリカやイギリスからの帰国子女がいて、通訳を入れず英語で交渉をしています。

それでも、重要な局面では、Breakをして、日本語で自分達の中で議論する様にしています。

最後に決断するのは、交渉団のHeadたる自分ですが、法務の専門家、リスクマネジメントの専門家、現地事務所の担当者の意見を聞いた上で、最後に決断を下して相手に伝えます。

その前には、皆と別室に行って、日本語で議論をして、自分の頭でしっかり考えて、結論を出す様にしています。

重要な決断は、日本語で考えて行う必要があります。

 

率直に交渉する

❼ストレートに質問をして相手の真意を確かめる。

英語は議論に適した言語だと思います。

私は日本の取引先とも多く交渉を行いますが、特にお客様との交渉では、言い回し、相手の方のプライド、当社が過剰なプレッシャーをかけている印象を与えない様にと、議論の本質とは異なったところに労力を働かせる必要があり、時に非常に疲れます。

一方で、英語はシンプルで、余計な言い回し、謙譲語が存在しない(全くないわけではないが)から、議論が行いやすい。

その英語の特性を存分に活かして、時には相手にストレートに意向を確認する、ことを私は英語の交渉ではよく行います。

交渉相手も、率直さと明確さを評価してくれて、交渉がスピーディーに行え、いい結果が得られることが多いと思います。

 

❽結論はすぐに書き物にして確認する。

合意した内容は、出来ればその会議の最後に、合意事項として書き物にして確認する必要があります。

お互いが、都合の良いように解釈していてる場合があります。これは絶対に避けねばなりません。

合意内容を、くどい位、細かく書き連ねて確認します。(勿論政治的理由で、敢えて曖昧な形にすることがあります。政府間の合意では時にあることですね。)

また、人間の記憶は曖昧で、また自分の都合の良いように変容します。

ですから、議論をしたその時に、書面にして確認し、互いに合意内容を確認します。

そうすることで、交渉のために費やした、時間が無駄にならずに済むのです。

 

まとめ

英語の交渉は次の8ポイントを抑えれば大丈夫。

1.前準備を怠らない。

  ❶自分の欲しいものを明確にする。

  ❷それを分かりやすい言葉で伝える準備をする。

  ❸交渉相手と頭の中で仮想交渉を行う。

2.相手のペースに乗らない。

  ❹交渉の土俵を作る。 

  ❺出来れば通訳をつける。

  ❻重要なことは、日本語で考える時間を取る。

3.率直に交渉する。

  ❼ストレートに質問をして相手の真意を確かめる。

  ❽結論はすぐに書き物にして確認する。

 

 

某総合商社に勤務して35年、色々な経験をしてきました。成功も失敗も。

海外駐在の経験もありますから、ビジネス関係でご質問のある方は下に登録して、コンタクトください。

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長く勤める間、私はアップダウンの大きな経験をしてきました。

好調の時は、新たなプロジェクトが話題になり、テレビの番組で取り上げられ、インタビューされる事もありました。

一方で、駐在中の不手際の為上層部の逆鱗に触れて、窓際族になり、どん底を経験したこともありました。

そんな折出会った瞑想とヨーガの力で、私は何も無かったスクラッチの状態から、数百億円のビジネスを作り出すことができ、復活する事が出来ました。

この驚異の瞑想とヨーガの大きな力にご興味がある方は、以下のブログ記事をお読みください。

https://ted-yamamoto.com/meditation-summary/

 

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